SHINYEI History #6 恐慌の時代
1926年から始まる昭和は、恐慌で幕を開けました。
第一次世界大戦による好況から反転した戦後不況に、関東大震災による経済混乱が重なり、1927年(昭和2年)3月についには銀行の取付け騒動に発展し、金融恐慌が起こりました。
懸命の対策によって同年5月には沈静化しましたが、その後、1929年(昭和4年)10月にニューヨーク株式市場が大暴落となり(暗黒の木曜日)、これを発端として世界大恐慌に突入したことで、日本でも1932年(昭和7年)に恐慌を脱するまで深刻な不況が続きました。
この間、生糸市場も波乱を繰り返し、ニューヨーク株式暴落後は、米国経済の深刻な沈滞を受けて、生糸価格が暴落しました。
大正末期に国内生糸問屋の頂点に立った神栄でしたが、昭和に入って恐慌に突入したことにより、売上は大幅に減少し、経営体力は大きな消耗を余儀なくされました。
このような大変な逆境下ではありましたが、一方で、事業拡大に向けた取組みも着々と進めていました。
また、関東大震災で全焼した横浜支店の社屋を再建することを決定し、1929年(昭和4年)9月に竣工式を行い、新社屋での営業を開始しました。
帝国ホテルを設計したフランク・ロイド・ライト氏の門弟であった遠藤新(あらた)氏が設計した鉄筋コンクリート造りの瀟洒(しょうしゃ)な建物は、注目を集めたそうです。
再建した横浜支店社屋 |
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