当社は、2021年12月21日開催の取締役会において、株式会社メディパルホールディングス(以下「メディパル」といいます。)との間において、資本業務提携(以下「本資本業務提携」といいます。)を行うことを決議いたしました。
1.本資本業務提携の目的及び理由
当社グループでは、「新しい価値の創造につとめ豊かな社会づくりに貢献します。」という経営理念の下、商品開発から始まる「ものづくり」を基礎として食品・物資・繊維・電子という幅広い分野で優位性のある商品・製品・サービスを提供し、人々の暮らしと社会の発展に貢献することを目指しております。
当社グループの電子事業において、次のターゲットを物流分野における計測と定め、マーケティングを行ったところ、医薬品・医療機器等に関する「医薬品の適正流通(GDP)ガイドライン」や食品における衛生管理手法の国際標準であるHACCP(ハサップ)など、保管や輸送といった物流過程での品質管理に関する各種規格化が進められているとの情報を得ました。これを受けて2019年3月下旬に、メディパルの完全子会社であり医療用医薬品等卸売事業大手の株式会社メディセオにアプローチし、物流過程における温度管理に対応する温度ロガー「G-TAG TempView」を開発していたところ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のモデルナ社製ワクチンの保管・輸送時の温度計測・管理用途にこの温度ロガーが採用されることになりました。電子事業における医薬品・医療機器等の物流分野への参入は、同事業の収益基盤の安定化に不可欠で、かつ当社グループの事業拡大に大きく寄与できるものであることから、温度に加えて、湿度、衝撃、振動、照度の計測など幅広い用途に活用できる「G-TAGシリーズ」の用途拡大や機能拡張を目指し、同分野での取組みの深化が必要となっております。
メディパルグループは医療用医薬品等卸売事業などを営む国内最大級の流通グループであり、わが国で医療・介護・福祉の分野が拡大する中で、がんや希少疾病を対象とした医薬品、再生医療等製品の流通体制において厳格な温度管理が必要とされるなど、高度な流通体制が求められており、製薬企業から患者さんに至るまでのサプライチェーン全体において、卸機能を最大限に発揮するための様々な取組みを行っています。
このような状況の中、当社グループの有する医薬品・医療機器等の流通環境での品質管理に貢献できる製品・技術の強みとメディパルグループの高度な流通体制を両社が有効に活用することや、冷凍食品事業におけるコラボレーション等も検討していくことなどにより、各種のシナジーを発揮することが、両社の企業価値向上につながると考え、メディパルとの業務提携(以下「本業務提携」といいます。)を決定いたしました。
また、企業価値向上の実現においては、業務提携だけではなく、資本的なつながりも持つことにより、より強固な信頼関係を築くことができ、本業務提携をより密接かつ確実に進めるとともに各種のシナジーを生み出すことにつながると考え、資本業務提携を決定するに至りました。
2.本資本業務提携の内容等
(1)業務提携の内容
当社とメディパルとの間で本日時点で合意している内容は、医療用医薬品等の流通機能の高度化とその流通体制の構築及び食品関連事業での提携等を検討しておりますが、今後具体的に両社で協議し、決定してまいります。
(2)資本提携の内容
当社は、第三者割当増資により、メディパルに対して普通株式208,500株を割り当てる予定です。発行価額は1株につき819円、資金調達の額は170,761,500円です。
また、調達した資金により、2022年1月から2024年3月までの期間において、物流用ロガーの用途拡大や機能拡張に対応した新製品及びソフトウエアの研究開発並びに新サービスの開発に加え、環境計測分野における温度・湿度・浮遊粒子その他の空気質に係わるセンサ、計測機器及びサービスの研究開発を実施いたします。
3.本資本業務提携の相手先の概要
名称 | 株式会社メディパルホールディングス |
所在地 | 東京都中央区八重洲二丁目7番15号 |
代表者の役職・氏名 | 代表取締役社長 渡辺 秀一 |
事業内容 | 持株会社として「医療用医薬品等卸売事業」、「化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業」及び「動物用医薬品・食品加工原材料等卸売事業」などを行う関係会社の株式を所有する事による当該関係会社の経営活動の管理・支援及びメディパルグループにおける事業開発等 |
資本金 | 22,398百万円 |
設立年月日 | 1923年5月6日 |
売上高(連結) | 3,211,125百万円 |
従業員数(連結) | 12,971名 |
4.今後の日程
取締役会決議日 | 2021年12月21日 |
業務提携契約締結日 | 2021年12月21日 |
払込期日(予定) | 2022年1月6日 |
5.今後の見通し
本資本業務提携は、メディパルが当社の一定数の株式を保有することによる中長期的なパートナーシップのもと、医療用医薬品等の流通機能の高度化とその流通体制の構築及び食品関連事業等において提携することは、結果として当社の中長期的な企業価値向上に寄与するものであり、ひいては株主価値の向上に資するものであると考えております。今期の業績への具体的な影響等については、現在精査中であります。今後、開示すべき事項が生じた場合は、判明次第、速やかに公表いたします。