落下試験について
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今回は「モノを落とすとなぜ壊れるのか?」の続編として、「モノを落とす装置がなぜ必要なのか?」についてお話しします。
スマートフォンなどの製品が落下することによる破損をできるだけ防止するため、多くの企業では落下試験を実施しています。この試験では、製品が実際に使用されている最中に落下する状況を高精度に再現させることで、製品の耐衝撃性を評価します。そこで疑問に思うのは、モノを落とすのであれば人の手で落とせばよいのではないか?、どうして試験機を使う必要があるのか?ということです。
その答えを探ると、日本で唯一の衝撃試験装置と加速度計測機器の専門メーカーである神栄テクノロジー株式会社(以下、神栄テクノロジー)の強み、長年培ってきた技術力の一端が明らかになります。では早速、掘り下げてみましょう!
落下試験の仕組み
落下試験とは?
製品の落下試験は、消費者がその製品を使用する過程で起こり得る落下事象を再現させることで製品の耐久性を検証するためのテストです。この試験は、製品の設計段階や、改良段階で実施されることが一般的であり、製品が市場に出る前にその品質を保証するために不可欠なプロセスとなっています。製品そのものを落下させ、製品本来の強度と構造を直接評価することになります。
Q.私たちが普段使っている商品は開発段階で試験が行われているんですね!
ただ、人が手でモノを落とすのも、機械で落とすのも大差ないと思うけど、試験機を使った際の違いってあるのでしょうか?
A.落下試験とは、試験の対象となる物体を自由落下させる「単純」な試験であることから、特に軽量な製品であれば、人手で落下させて評価される場合も散見されますが、これには大きな問題があります。
それは落下精度が低いことです。具体的には、人手による落下では、製品の落下姿勢や試験高さが毎回不安定になるため、試験結果にばらつきが生じてしまいます。これにより、落下試験の合否判定を見誤ることや、落下による破損の対策を正しく評価できないことなどが考えられます。
こちらの動画は、同じ製品に対し、人手で落下させた場合と落下試験機を用いた場合とで、それぞれ3回繰り返し落下させたときの製品の落下姿勢を、高速度カメラで撮影したものです。
動画からも分るとおり、人手による落下では試験毎に製品の落下姿勢にばらつきがあるのに対し、落下試験機を用いることで、3回ともほぼ同じ姿勢で床面に落下できることが確認できます。
あらゆる試験において、誰が、どこで、何回試験を行っても、同じ条件を再現できる精度は非常に重要であり、これは落下試験においても例外ではありません。
人の手では、製品を毎回同じ高さ、同じ角度、同じ速度で落とすことが非常に難しくなります。一方、落下試験機を使用すると、これらの条件を正確にコントロールすることができ、試験結果の一貫性を保証します。これにより、製品の設計や改良点を正確に評価することが可能になり信頼性の高い製品開発につながります。
また実は、数多くの国内外の有名なIT企業やメーカーで、自社製品の耐衝撃性をPRする動画や新製品発表のプレゼンテーションに、神栄テクノロジーの落下試験機が登場したこともあります。
おわりに
製品の品質・耐久性を評価し、その信頼性を確保するため、落下試験は極めて重要です。人手による試験では実現できない高精度な落下試験を再現できる落下試験機は製品開発の現場において不可欠な役割を果たしています。
神栄テクノロジーの高い技術力は世界的に認められており、特にモバイル機器の耐衝撃性検証用の試験機として実質的な業界標準試験機の地位を得ています。
次回は落下試験と梱包の関係性についてお話しします!
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