温度ロガー「TempView」とは?

電子関連

はじめに

2021年1月8日3月1日に神栄テクノロジーが開発した温度ロガー「TempView」が新型コロナウイルス感染症ワクチン(モデルナ社分)の国内物流(保管・輸送)用途に採用された旨のリリースをいたしました。実際に、このリリースをご覧になり「温度ロガー?」と、なかなかイメージができなかった方もいらっしゃるかもしれません。
今回は温度ロガー「TempView」について、わかりやすく紹介していきたいと思います。

温度ロガーとは?

温度ロガーとは簡単に言うと「温度記録計」のことです。今、日本国内においても医薬品については「適正流通(GDP)ガイドライン」、食品についてはHACCP(ハサップ)というように、各分野で安全性を高める取り組みとして「物流管理の規格化」が進んでおり、メーカーや卸事業者、倉庫、運輸業者などが対応を進めています。

その中で保管・輸送時の温度を含めた各種データを適正に測定・記録するデータロガーの需要が高まっています。

温度ロガー「TempView」

温度ロガー「TempView」はシンプルなデザインかつ高い性能を備えた「物流用の温度ロガー」で「-40℃~80℃」の温度帯を測定することができます。

 

「TempView」の特長

物流用途に細やかに対応した2つの測定モード


物流用として開発された温度ロガー「TempView」はその過程のあらゆる状況に対応できるよう、2種類の測定モードを備えています。

◎輸送モードトラック内部や輸送ボックス内など、輸送管理に適したモード
       急激な温度変化が発生する可能性のある環境に適しています。

◎保存モード倉庫などの建物内や冷凍冷蔵倉庫内での保管管理に適したモード
       温度変化が比較的緩やかで長期間の監視・記録が必要な環境に適しています。

温度を記録する間隔は1分~60分まで自由に設定することができ、最大で10,000データを記録・保管することが可能です。

 

専用アプリで誰でも簡単に操作可能!


温度ロガー「TempView」の操作方法はいたって簡単、スマートフォンやタブレット端末に専用アプリ(iOS・Androidに対応)をダウンロードし、アプリにて測定設定や記録したデータの確認ができます。

一般的な計測・記録計は測定データを取り出す際、本体や専用の読み取り機を一度PCに繋ぐ作業が必要となりますが、温度ロガー「TempView」はBluetoothによるデータ通信機能を使用し、端末の専用アプリから直接操作ができるので、簡単で便利。

お客様への商品配送時の冷凍トラック内部の温度を、運転席から確認することも可能です。

また、記録したデータの読み取り時に温度ロガーの本体に触れることもないので、作業中に誤って操作してしまった!なんて心配もありません。

 

計測データの「信頼性」 


温度ロガー「TempView」が選ばれる大きな理由のひとつに計測データの「信頼性」があります。

神栄テクノロジーは高精度な温湿度計測機器の製造に長年取り組んできた業界のパイオニアであり、「湿度」においては、計量法に基づく日本の校正登録制度であるJCSSで認定された「校正事業者」として、高い技術力を誇っており、「湿度」と切っても切れない関係にある「温度」についても、長年培ってきた校正技術を備えています。

温度ロガー「TempView」についてお客様への出荷前に、高い技術を持つ専任の技術者により、適正な性能であることを確認する温度校正を行っており、1台1台に校正証明書を発行することも可能です。

また、温度ロガー「TempView」で測定したデータは専用アプリの自動レポート作成機能によってPDF形式で出力され、出力したPDFデータはアプリより、メール添付にて直接送信することができます。輸送終了時にデータの受け渡しを行うことで、記録内容の書き変えを防ぐことができ、改ざんの心配もありません。

 

厳格な温度管理に対応


例えば、モデルナ社のワクチンは、-20℃±5℃、つまり-25℃から-15℃までの間で保管することが求められています。温度ロガー「TempView」は、温度の上限と下限を設定し、万が一設定した範囲から外れた場合には、すぐにその時刻と温度をエラーとして記録する機能が備わっています。

通常の記録間隔は前述のように1分から自由に設定できますが、エラーの記録がないことで、記録と記録の間の時間にも適正な温度に保たれていたことの証明ができるため、ワクチンのように厳格な温度管理が求められる物にも最適な仕様となっています。

 

充実したアフターメンテナンス


温度ロガーについては、温度計測・管理に必要な性能を保つため定期的に保守・校正を行うことが必要とされています。神栄テクノロジーでは、このメンテナンスサービスにも対応しており、今回の新型コロナワクチンの物流に使用される温度ロガー「TempView」についても、神栄テクノロジーにおいて定期的に校正を行い、適切な温度計測・管理を維持できるようにいたします。

最後に

神栄テクノロジーでは、スマートフォンやタブレット等の通信端末と連携させることで機能や使い勝手を格段に向上させた新しいコンセプトのデータロガーを総称し「G-TAG」シリーズとしてリリース、温度ロガー「TempView」をはじめとして、今後湿度や振動・照度など、さまざまな分野において物流管理のあらゆる状況に対応する各種測定機器やサービスの提供を拡大していきます。

これからも生活にまつわる様々なものの品質管理に寄与することで、当社グループの経営理念である「豊かな社会づくりに貢献」できるよう取り組んでまいります。

 

神栄テクノロジー株式会社
物流用データロガー G-TAGシリーズ